今回は腰部の疲労骨折「腰椎分離症」についてです。疲労骨折は骨が未熟な成長期に起こりやすく、繰り返す運動負荷が腰部にかかることで腰椎にも発生します。
腰痛が2週間以上続く小中学生の45%が分離症であったとの疫学調査もあります。
早期診断はMRIがゴールドスタンダードです。
レントゲンでは終末期しかわかりません。
MRIは①早期の発見 ②骨折の治癒能力残存の有無 この2点で大きな役割があります。
CTは骨折部の詳細な形態を見ることができ、病期(初期、進行期、終末期)を分類できます。
また骨癒合(治癒)の判定に有用です。
分離症が終末期になると椎体が前方へずれる「腰椎すべり症」を併発することもあり、特に小学生の分離終末期の場合には80%程度に伴います。
分離部は小学生だからと言って骨癒合が得られやすいわけでなく、すべり症にもなるリスクも大きく、小学生の場合にはより厳密に治療する必要があります。
部位別には第5腰椎と両側性の場合は治癒率が低い傾向にあります。
治療は初期/進行期であれば骨癒合させ完治することを目標とします。
腰椎の伸展・回旋を制限するコルセット(写真)を作成して装着します。
これまでの研究データ(図)から、初期では3か月程度、進行期では6か月近くのスポーツの中止とコルセット装着が必要です。
その間はリハビリを行い、腰に悪い下肢や体幹のコンディションを改善させます。
終末期では骨癒合は期待できませんので、腰痛ケアとリハビリを行いながら徐々にスポーツ復帰します。
しっかりと疲労骨折の病期を把握することで治療方針と治療期間の目安を示すことができます。
これをもとに治療を相談していきます!
一生懸命運動に取り組む成長期にスポーツを中止することは辛いことですが、骨が治らない状態は生涯にわたって影響を及ぼす
可能性があるため、しっかりと治療することが重要です!
4月から新生活がスタートされる方もおあられるのではないでしょう?生活のリズムが変わると疲れが取れにくい、よく眠れない・・・など不調が現われることがあります。
そこで、新生活をうまく乗り切るための食事のポイントについてご紹介いたします!
1、体内時計を知る
私たちの身体は活動や時間に合わせてホルモンが分泌されます。そこで、毎日同じ時間に起きて朝日を浴び、朝食をとって、内臓を刺激してあげましょう!
2、食事の配分について
1日の食事合計を『10』としたら《朝食3:昼食4:夕食3》の配分を意識しましょう!
3、欠食しない工夫
食事をすると、体内の栄養素が消化吸収され、エネルギー消費量が増えます。欠食するとエネルギー消費がなくなってしまうので、ヨーグルトやスープ、果物(100%ジュース)など手軽に食べられるよう心がけましょう!
皆さんこんにちは、リハビリテーション科です。
腰椎(ようつい)分離症(ぶんりしょう)の初期・進行期では、一定期間スポーツを中止して骨の癒合(くっつくこと)を待つ必要があります。スポーツが出来ずもどかしい期間ではありますが、復帰後の再発防止やパフォーマンス向上のためにからだを整えるとても大切な期間となります。患部をしっかり休め、弱点を克服して、思い切りプレー出来るからだを手に入れましょう!!
この時期に改善しておくべきポイントは主に3つです。(右の写真はおすすめのエクササイズです)
①胸椎(胸郭)・股関節のやわらかさ
特に後ろへからだを反らす時の胸椎・胸郭の動きや股関節を伸ばす・捻る動きに硬さがあると、その分腰が動いたり力が入ったりして負担がかかってしまいます。
②股関節まわりの筋力
特に足を後ろへ上げる・蹴り出す時に使うお尻の筋が弱いと、腰を反らせることで動きを出そうとするため、腰に負担がかかってしまいます。
③体幹の安定性
人間のからだには、筋で出来た自家製のコルセットがあります。筋を働かせて体幹の安定性を高めることでコルセットの役割を果たし腰への負担を減らしてくれます。
その他、当院のリハビリでは理学療法士が姿勢や動き方をチェックして、腰に負担がかからないように修正・指導を行っています。気になる方は、お気軽にご相談ください。