紹介させていただくのは、19年前に高校野球で活躍し、プロ野球への道に進んだ中里篤史選手(春日部共栄高校卒)です。
彼のストレートは巷でも有名で「火の玉ストレート」なんて呼ばれ、プロ1年目の9月に巨人戦で鮮烈なデビューを飾り、今後を期待されました。
そのシーズンオフに右肩を亜脱臼。
そこから懸命のリハビリを経て1軍登板の日を迎えます。
肩以外にも左肘の骨折などを経験し、プロに入ってからはケガとの闘いが多かった中里選手ですが、彼が投げるストレートは今でも多くのファンの記憶に残っていることでしょう。
今回はスポーツに伴う肩の腱板断裂です。
スポーツ選手の腱板断裂は比較的若年者に多いですが、岩噌らはスポーツにおける腱板断裂を3つに分類しています。
①慢性障害型:投球やバレーボール、水泳などのオーバーヘッド動作が繰り返されることで起こるもので、完全断裂は少なく、部分断裂であることが多いです。
②急性増悪型:繰り返す小さい外力により生じた腱板部分断裂が、急性に完全断裂になって起こるもので、外力が大きめか比較的高齢まで持続可能なスポーツで多く、体操・テニス・ジムトレーニングなどです。
③外傷型:ほぼ1回の怪我により完全断裂をきたすもので、他者との衝突や転倒により生じます。ラグビーなどのコンタクトスポーツ、スキーに多いです。
投球動作に代表される関節側の部分断裂では関節内インピンジメント(骨同士に腱板が挟み込まれる)が原因で①のタイプで、最近では特に力の貯めが最大限の位置になるコッキング期後半におこる後上方インピンジメント(PSI)の報告が多いようです(下図)。
上腕骨頭が投球動作のこのタイミングで求心位を得られないために非生理的で過度の刺激が組織に加わるために痛みが生じます。原因とすると
(1)前方の関節包の壁が緩くて骨頭が前に偏位するため
(2)後方の壁が固くて骨頭が後上方に偏位するため
などが考えれます。
この場合にはリハビリで原因となっている部位を改善し、動作を適切に修正することで改善できること多いです。
②の場合にはリハビリを3カ月ほど行いますが改善がない場合にはスポーツレベルにより手術が必要となることもあります。
③では機能の著明な低下をきたし、リハビリ加療のみではスポーツに復帰するには至らないことが多く手術が最善と考えます。
以上のようにスポーツにおける腱板断裂にも様々なタイプがあるのです。
こんにちは!メディカルフィットネスfineです。
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皆さんこんにちは、リハビリテーション科です。
肩を動かすためには肩甲骨や脊柱、胸郭の動きが大切であるということを前回まででお伝えしてきました。
そこで今回は、実際に肩を動かして、全体を使えているか確認していきましょう。
腕を高く上げようとするほど、動きを出すために肩甲骨が大きく動いていきます。肩甲骨は胸郭の上を動くため、胸郭の動きが必要となります。また、胸郭は脊柱(背骨)と接しているため、脊柱を伸ばす動きも必要となります。このように、肩を動かす際には色々な場所が連動して動いていきます。
では、連動した動きが出来ているか確認していきましょう。
①椅子に出来るだけ深く座り骨盤を立てます。
②背中・お尻を壁(背もたれ)に軽く付けたまま手を挙げてみましょう。
真横へ開く動きも同様に行ってみましょう。
③腰と壁の隙間が手のひら1個分くらいのまま壁まで付けば成功です。
背中にグッと力が入る感じがしませんか?
腰や背中が離れてしまう方は、日ごろから体を後ろへ反ることで腕を挙げている可能性かがあります。
肩が途中までしか挙がらない方は、どこかに硬さや筋力低下が起きている可能性があります。痛みがなければこの動きを繰り返すことで肩甲骨や背中へ刺激が入りますので、良いエクササイズになります。
からだをバランスよく使って、肩痛の改善・予防を目指しましょう。